6/11 書評まとめ  「一流の人は空気を読まない」 著者:「堀 紘一」

一流の人は空気を読まない (角川oneテーマ21)

一流の人は空気を読まない (角川oneテーマ21)

【読前感】
タイトルにやられました。すごく気になってしまった。私自身が空気を読むのがとても苦手なので、なんというか。うん。自分にあってるような気がするという思い上がりがありましたね。即籠行きでしたw
まぁいつの頃からか「空気読めよ!」的な発言が成されるようになりましたね。って言うか、誰がそんな事を言い始めたんだろう?とりあえず、あるお母さんが自分の子供に対して「ねぇ!空気読んで!」って怒っている光景がすごく印象に残っています。すげーレベル高い事要求してない?って。
たぶん、あの光景がはじめて「空気って怖い!」と思った瞬間だったと思います。まぁ、とはいえ、誰も「空気」って説明できないんですけどね。「場や状況に流されてそこで角を立てないような極めて玉虫色な行動をとる力」みたいなのが「空気を読む力」ですかね〜?
って考えたら、これが全員部下だったらスゲー楽だな、おい。まぁ全くクリエイトされないと思いますが、それでも、その場で一番偉かったり発言力があったりする人間にとってはスゲー楽な状況でしょうなぁ。。。。やっぱいらねぇな。この力ww

【書評】
『P6L9 人生における勝負時を的確に見出すこと。』前書きの部分。この前書き全体を見回して、この本は「如何に現段階の状況で成功するか?」という問題にフォーカスしているのがわかる。空気を読むことは成功に結びつかないという理論を展開していくようだ。
『P20L6 「職場」には、物事の決定、あるいはそれに対する各社員の反応を左右する空気が確かに存在している』なんというか、やっぱり現状はこうよね。仕方ないよね。といった感じなんだろうな。
『P21L24 対象が不特定多数であれば、全体としての方向性がどちらを向いているか考慮する。対象が彼女などの特定の一人であれば、相手の気持ちというものをおもんばかる。』そらそうだろwそれは最低限やれよww
『P22L8 平等意識といえば聞こえはいいが、実際のところは、「周囲と同じ」であることに居心地の良さを感じているのが日本人の性質と言えるだろう。』なるほど。箱庭気分といったところか。悪い意味での島国根性だなー。
つうか、最近の新書は大事なところが太文字になっている模様だ。ってこれは非常に問題が生じるわけさ。まぁ、確かに太文字だけ読めばこの本の主旨がわかりますよーっていう事なんだろうけどさ。だったら、太文字だけの本作れば良いだろって思います。
あと、このアクセントによって、如何考えても人間の頭には太文字が残りやすいわけ。という事は、この本のとらえ方が決まっていると。つまり正解があるわけだね。ってービジネスには正解はないのに、ビジネス本の読み方は正解を提示するって・・・頭が悪くならないか?
『P23L25 戦後、欧米に「追いつけ、追い越せ」とやっていたなかでは作業員一人ひとりが自己主張などをしていてはむしろ具合が悪かったからである。』あーうん。そうだねー。
『P25L24 「独創性やアイディアが問われる時代」』になっていることが理解できないというか、信じられない人間が、今TOPに蔓延っているのが日本の現状だろうね。つか、これ若いのが読むよりも、40代50代ぐらいの人が読んだ方が良いんじゃね?
若者向けの本だと思ってたけど、現状把握の部分は完全に40〜50代の人向けだなぁ。題名をひねり過ぎた感あり。まぁ、なんというか、「題名で売り上げが決まる」というのは”名著(名訳?)ライ麦畑で捕まえて”があるけどね。
『P26L13 現在はもう、人とは「違う価値観」を持たなければナンバーワンにはなれない時代になっているのだ』って、私の感覚ではちょっと違う。”持たなければ”ではなく”伝えなければ”だと思う。持っているかというより如何に表現するかのOutputが大事。
『P27L2 「KY」という流行語が誕生するよりはるか以前の一九七七(昭和五十二)年に、山本書店店主であり評論家の山本七平氏(故人)は、『「空気」の研究』(文藝春秋)という名著を上梓している』まじかーい。ドンだけの先見性だよ!!すげぇ。
『P27L10 「全般の空気よりして、当時も今日も(大和の)特攻出撃は当然と思う」』うおーい。すげぇな。「空気」で何千人か死んだよ?今。って、まぁ、今の世の中の流れ的には「空気」で1億人ぐらい殺そうとしてるから、千人単位は余裕か?(不謹慎。)
読んでてわかるのだが、「空気」が支配力になっている点が問題であることがわかる。つうか、「空気を読む」なんてどの国でもやってるし、じゃなかったら社会活動なんて営めないしね。
でも、支配力には意味が無いね。そういえば「KY」とか「空気読め!」って怒る場合って、要約すると「黙れ!」なんだよなぁ。つまり、「出た杭を打つ」方法として一番楽な打ち方なのかもしれんね。
『P40L15 今、日本中でカーリングばかりしている。両親が一生懸命ホウキで先を掃いたあとから子供が石を投げるのだから、彼らが一人前になるはずがない』素晴らしい表現だと思います。まぁ、著者ではないんですけどww
でも、これって如何なんかなぁ?とも思う。なんか両親はホウキを履くのが仕事だと思ってるし、さらにそれが当たり前の空気になってるから余計やるわけで。でも、豊かになったら子供には苦労させたくないっていう親心を完全否定してんのかね?
まぁ、ただ「こんなにやってあげたのに何でこの子は!?」とかそういう発想になっちゃいかんと思うのだよ。でも、こういう発想になっているのが会社の上司と新人のような気がするよ。誰も道を履いてくれなんて頼んでないのにねー。
『P43L7 しかし、サラリーマン集団でしかない日本のマスコミにおいては、自分が正しいと思うことを報道するのではなく、周囲の空気を読んで報道することになる。』お前等全員クビだ。マジいらねぇ。これだから、情報伝達の真実性においても2chに負けるんだよ!
って思いながら、「あれ?売り上げ完全報酬性の記者を抱えたらどうなんのかな?」とか思ったけど、ダメだ。ほとんどが「空気」読んじゃって、面白い記事なんか書けないか。うぉ。空気マジウゼェ!
所詮、「空気」とは「迎合」に他ならないんですよ。「空気を読んで」の発言や反論には何の意味もない。ただ「迎合」しているわけで。時間の無駄〜〜無駄〜〜
『P57L3 株式会社○△×のスペシャリストです』これ、良いな。覚えておこう。つか、たぶん、これをやらせるから雇用の流動性も確保できないんだと思うし、年功序列制・終身雇用制もなぁ。。。
ってどっちも崩壊してるシステムやん。という事は、これ意味ないじゃん。でも、企業はそういうように採用活動・人事活動するしな。どーすんだ?崩壊してるのにそのシステムを使って行動するの?なんだか意味わかんねぇ話だな。疲れてくるわ。
『P91L13 周囲の気持ちを”動かせる”人間が増えてきたなら、日本経済は確実に変わる』間違いないこと。今のビジネスモデルにも合致している。何を売るかではなく誰が売るか。何が売れるかではなく何を売るか。そういう考え方。
ただ、それを理解し評価できる土台が、本当に日本には存在しているのか?それも、若い世代を評価する段階において。まだまだ足りないと私は思っている。「やりたいからやる」を「やらせてくれる」環境を生み出さなければならないのではないか?
『P94L6 「成果主義」』『L7「能力主義」』『L8「貢献主義」』なんというか、この辺りの言葉は、現状においては人件費をケチる口実に成り代わっている現実がある。なので、その成果などを明確に測るためにはそれが目に見える形での明らかなメジャーが必要。
それを作れない会社も多く、またそれを達成した時の報酬が十分でない会社も多い。つか、仕事しながら資格を取るとか、英語を勉強するとか。すごい努力が必要だと思うけど、それで月収1万とか2万ぐらいしか変わらないんじゃやってらんないよww
『P118L5 努力の大切さを理解しないそんな輩はこちらとしても相手をしたくはないのだが、努力をする際の「工夫」の大切さについても触れておきたい』この工夫の考え方はすごく大事。そして、この工夫はどこかで必ず評価される。逆にいれば評価されるまでやる。
それは非常に暗くて辛いことかもしれないが、それでもずーっとやってみる。これが一番大事なんだと思う。ただ、その一方で、これをやっている間に干からびてしまうような状況にあったら、それはマジで一大事だ。頑張ろうにも頑張れない。
だからこそ、私は、「イノベーションには2つの重要な要素があり、1つが教養であり、もう1つが文化的な制定限度の生活を送れるだけの収入」だと思っている。具体的には、月に13万ぐらいの手取りだと思う。日本においては。
それ以下の収入、あるいは3年間頑張ってもその状態を打破できないような環境におかれている場合は、早々にその職場を退散すべきだと思う。そうでなければ、遅かれ早かれ死ぬぞ?マジで。
『P125L7 こうした工夫や計画が大切であるとともにやはり忘れてはならないのは、「目的意識」をしっかりと持っておくことである。目的なしで何かをやろうとすると、途中でつらい場面に出くわしたときに努力を続けるのが嫌になるからだ』おっしゃるとおりです。
「目的意識」はホントに大事だ。というより、何でこんなことしてんだろう?とか思ったら負けです。だから、ホントに自分が楽しいと思えることを目標にしてやった方が良いわけです。お金なんてイラネって思っている人間が昇進なんか目標にしちゃダメですww
『P126L10 目的もなく何かをやろうとするのでは挫折しやすいし、挫折に向かってスタートを切っているだけだという意味では非常に愚かしい行動になっている』いや全く。でも、こういう人多いんじゃないかなー。。かくいう私もこれで大いなる挫折を経験しました。
というか、これに気がついた瞬間に挫折するんだよな。何でこうなんだろ?とかこれってオレの好きな事じゃない。とか如何頑張っても面白いと思えない。とか。これってたぶん変な「学歴偏重主義」が生み出した不幸だと思う。
『P143L5 小さなことでも大きなことでも、行動を起こすかどうかとためらっていたのでは、何も始まらない。人間などというものは、変身しようと思えば何歳からでも変身できる。要はそのきっかけを自分で見出し、つくれるかどうかというだけである。』
なんというか、この本、この言葉だけで良いとおもうよ。マジで。ちなみに、この言葉を読みながら、ガリバーの社長を思い出したよ。そして、生まれ変わりたいなら、今すぐ1秒後に生まれ変わりなさい。そっからスタートです。
大丈夫。人生始まってないやつも多いんだから、気にせずにガンガンスタート切っちゃって良いと思うよ。そういう人が多ければ多いほど、日本は面白くなる。まさに「日本、始まった」であるw
『P147L6 新しい勉強をはじめようとすることや、新しい仕事を始めようとすること、事業を興すといったことに関していえば、どんな年齢でも遅すぎるなどという事はあり得ない』つまり、それだけ簡単だって事でしょう。起業って結構簡単見たいっすよ。皆さん!w
つか、たぶん簡単なんだと思う。マジで。んでも、失敗した時が怖い。マジで。そして、失敗を評価してくれるシステムもない。マジ、超怖い!ってでも、やってみないとわかんないよね。どうなるかはwやってみようぜ!意外と300万ぐらいの借金なら返せるよ?
『P155L6 日本社会というものは、上昇機運にある人間のことはとことん持ち上げるようにする一方で、一度階段を踏み外したときには、とことん冷たくなるものだ』これは実感としてありますね〜たぶん、日本の悪しき伝統で一番の問題はこれだと思います。
『P170L11 一言でエリートを定義するならば、それは”大衆のために犠牲になる精神を持っている人”ということになる』なんというか、「社長は社会の奉仕者です」という言葉とほぼ同義だよね。
『P171L2 大衆にあまんじていようとするならば空気を読んで生きていくことも否定はしない。そうして、強者に搾取されてしまうものを出来るものを出来るだけ小さくしていくのを心がけるのが、つまらないながらも無難な生き方だ。』イヤです。私は。
『P189L1 真のエリート候補と言える人たちがどうして日本に絶望するのかといえば、話は最初に戻る。「同じであることがいい」とされる日本にあっては、他と比べて突出することがプラスにならず、むしろ潰される材料にもなりかねないからである』
なんというか、読んでて自分の感覚に鋭く近いものを感じる。正にそのとおりである。何で同じ事をしなければならないのか?何故同じ意見を言わなければならないのか?
私は、高校時代、「戦争には良い面が存在する」というエッセイを夏休みの自由作文で書いたことがある。評価はCだった。しかし、他のAを取った学生で私に読ませてくれた学生の中で私のエッセイが一番説得力があったと確信をもっていえた。
同じように、センター試験の国語の問題の話だ。特に小説。あの問題は5択方式になっているが、本文を読まなくても選択肢が2〜3個多いときは4つ潰すことができる。何故なら、「日本人の一般倫理からは外れていること」は正解にはなりえないからだ。
んなバカな!と思った人は、今すぐ書店でセンター試験を開きにいってほしい。成人なら私の言っていることに対して多少の同意が得られるはずである。残念ながら、そういう「同質的な」感性を持っている人を、日本は大量に作り出すシステムを内包している。
『P194L12 失敗の数とは、人生の勲章である。失敗を恐れることなどはまったくない。失敗すれば、そこから何か学ぶことができるのである』格言に近いなとは思う。ただし、世の中には失敗を糧にする方法すら知らない人が多い。
さらに、失敗が糧であると評価できない人間も多い。そういう人間が、部下の失敗や新しい人の評価をする場合は最悪である。失敗は悪だと決め付け、彼らに落第者のレッテルを貼るだけだろう。しかし、こういう人間は極めて多い。注意しなければならない。
『P201L5 いつまで経ってもお金が集まってこないのだとしたら、努力が足りないのか、そのビジネスがもともと勝算のないものであるのかどちらかだ』このいつでもがどのくらいかわからないし、失敗した時どうなるのかわからない。これが企業リスクだと思う。
でも、起業するってやっぱりすごいことだと思うんだよね。そういう意味で、「起業したこと」は評価に値することだと思うんだ。それが成功したか・失敗したかはこの際如何でも良いと思うんだよね。だって、皆がしなかった事をしたわけでしょ?それだけですごいんだってw
『P211L3 もういいかげん「正しい判断」を模索する旅は終わりにしよう。人生に最も大切なことは「正しい判断」ではなく「必要な判断」をその時々にタイミング良く下していく勇気だということを思いおこしてほしい』最後の文章。
なんというか、今回最も心に届いた文章。「正解」を探していないか?「必要」を探しなさい。という話だと思う。私も正解探しに奔走してしまう習慣が身についているように思える。これは変えていかなければならないと思う。
それから、ふと思ったんだが、何故最後の文章が太文字になってないのかすごく気になる。もしかして、太文字にしているのは編集者か?なんというか、太文字だけ読んでると、すごいマッチョな経営者が若者に発破をかけているように見える。がそれだけではなかった。

【読後感】
最初は「空気」という点から、今の日本のシステムが否定されていくのか?と思った。しかし、そうではなくて、結局は自分が変わっていかなければ何も変わらないのだ!という若者というか、目標がもてない人間への発破であった。
この人の成功談というか、人生の紆余曲折談はなかなか面白いと思う反面、本にするために(話を長くするために)突っ込んだ感じが否めなかった。内容としてはたぶんやれば50Pぐらいになってしまいそうだ。
ただ、やはりというか、この著者自身から出る魅力がこの本を成り立たせているだろう。それと、やはり題名か?題名の力は予想以上にでかいな。と心から思った。
まぁなんというか、新書に何を期待すんのさ?とは思うけど、でも、時間を投資に回しにくくなってる現状としては、やはり新書というか2時間程度で読める本に期待はかかってしまう。
そういえば、あの堀江社長も「本を読む時間がない」と言っていた。本の有用性は認めるものの、本の弱点はその知識を得るスピードなのかもしれない。確かにそういう点では、人と話したり人から教えを受けたりする方が早いんだろうなぁとは思う。

という事で、この本はこちらからどうぞ〜

一流の人は空気を読まない (角川oneテーマ21)

一流の人は空気を読まない (角川oneテーマ21)